経営教育コースの概要

 経営の4資源として、人、物、金、そして情報があり、経営学とは「こうした資源を入手し、それを効率よく配分・活用するための理論や制度、さらには組織そのもののあり方等を研究する学問」といわれています。このコースでは、とりわけ「人」について、より深く学ぶことができます。ここに、このコースの一つの特色があります。

 企業社会の変化に対応し、人材開発、企業内教育、学習企業という言葉をしばしば耳にします。会社に入ってくるまでに身につけた知識と能力だけでは、退職まで通用しなくなってきたのです。近年の急速なIT化への対応などがわかりやすい例ではないかと思います。こうした社会の変化に対して、真に強い企業は、優秀な人材を集めてくるだけでなく、教育によって社員の能力を高め、社内で優秀な人材を育て、活かしていっています。このように、「人」という資源をどう活用するかは、経営学のなかでも重要な柱の1つなのです。

 大学を卒業してからも、みなさんはいろいろな「教育」の場面に出会うはずです。たとえば、松山大学を卒業して就職したばかりの人たちは、大なり小なりなんらかの社会人研修を受けることになります。このとき、研修をおこなう側の職員は、広い意味で「教育」に関わっていると言えます。また、仕事に慣れてきてからは、次に入ってくる後輩たちに対して、仕事をしながら指導をおこなうことになります。これもまたOJTという職場内訓練です。あるいは、パソコンのインストラクターや塾講師など、教えることを職業とするかもしれません。このほかにも、結婚してから子どもを産めば、子どもに対して教育をおこなっていくことになります。

 また、社会のいろいろなところで心理学が応用されています。たとえば、どうすれば社員はやる気を出すのか、そのための給与体系のあり方や職場環境のあり方、上司−部下の関係はどうあるべきかなどはいつの時代にも会社員の重要な話題の1つです。ほかにも商品の売り方やマーケティングにも心理学が関わってきますし、事故を起こさない設計などにも関わってきます。

 このように社会、企業、産業には人が関わってくるわけですから、現代の企業・産業を理解するためには、経営学の知識に加えて、教育学や心理学を学ぶ意義はますます高まっています。その意味で、経営教育コースは、将来、企業で研修的な仕事に就きたいという人などに最適なコースであるといえます。このコースのカリキュラムを通して、人を育てるとはどういうことかについてしっかり学んで、考えてみて下さい。

 また、当然のことながら、中学校・高等学校の教員になりたいと考えている人にとってもこのコースをお奨めします。このコースでは、多くの教職専門科目が卒業単位に認められますので、松山大学の他の学部や他のコースよりも効率的に教員免許状が取得できます。最近は、とくに「心の教育」、「学級崩壊への対応」など教師の教育の専門家としての力量が求められていますので、こうした点を重点的に学んでいきたいのであれば、ぜひこのコースを取るべきでしょう。

教職課程ホームページ